ヘッドライン一覧 購読申込&お問い合わせ 農業共済新聞とは? 情報提供&ご意見・ご感想 コラム防風林

防風林「ふるさと納税の活用を【2019年9月1週号】」

 ▼納税者が市町村などの自治体を選び、寄付を通じて応援するふるさと納税の2018年度実績を、先ごろ総務省が公表した。受け入れ額は約5127億円(前年度比1.4倍)、受け入れ件数は約2322万件(同1.34倍)となった。返礼品の競争過熱もあり15年度から急速に伸びてきた。
 ▼過度な競争の回避のため、本年6月以降は、返礼品を地場産品に限定し、調達額は寄付額の3割以下とするよう見直された。ただ、少ない自己負担額と簡単な手続きで全国各地の特産品などを入手できるメリットから、利用者は今後も増える見込みという。インターネット上には、ふるさと納税の利用促進サイトが複数あり、独自の特典を上乗せするなどPR合戦を展開する。
 ▼これまでは、利用者の過半が返礼品目当てと聞き、故郷や縁のある自治体を応援するとの趣旨にそぐわない印象を持っていた。だが、地場の農林漁業産品生産者の収入源となり、財源不足に悩む自治体などの事業に生かされることは確かだ。
 ▼自治体の9割超では、寄付の使途が選択できる仕組みがあり、7割が受け入れ実績と活用状況(事業内容)を公表している。最近は、目標金額と事業内容を示し、一定期間内に寄付を募るクラウドファンディング型の取り組みもあるという。
 ▼さらには、地震や豪雨などの災害発生時に、返礼品を前提としない被災地支援も行われている。指摘される課題も多いが、工夫次第で活用の幅は広がりそうだ。