「木田で育てることにこだわりながら、次世代につなげていきたい」と福井市木田地区の加藤秀次さん(72)。140年余りの歴史を持つ地区の伝統野菜「木田ちそ」を50年以上にわたり栽培する。木田ちそはアカジソのチリメンジソで、濃い色と香りが特徴。市場に出回る時期が短く、高値で取引されるが、宅地化が進み、栽培面積は減少の一途をたどる。2014年には加工品向けのちそを生産する事業組合を設立。地区の小学校や公民館では、歴史や特徴を伝えるなど、若い世代への普及活動も実施し、地域ぐるみでの種の存続に挑む。
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〈写真:「これからの暑い時期に合う。全国の人に飲んでほしい」とちそサイダーを手に加藤さん。左手は木田ちそサイダー飴〉