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かみしめる営農の喜び 北海道胆振東部地震から10カ月 ―― 小谷和宏さん・厚真町(1面)【2019年6月4週号】

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 「3月以降に復旧が急ピッチで進み、思いがけない規模で営農ができている。一農業者として、本当にありがたいと思う」と明るい表情を見せる、北海道厚真町高丘の小谷和宏さん(57)。国土交通省によると、「北海道胆振東部地震」では厚真町を中心に、3230ヘクタールもの広範囲で山腹崩壊(※)が発生した。無数の樹木を含む土砂が、農地や居住エリアに流れ込んだ。小谷さんは自宅の裏山が崩れ、仮設住宅での生活が続いている一人。15キロ離れた仮設住宅から毎日通い、水稲「おぼろづき」3ヘクタールなどを栽培する。

 ※山腹崩壊:山地の斜面を構成する岩石や土砂が、地震や豪雨などにより崩れ落ちる現象。山崩れ。

(1面)

〈写真:水が届かなくなった水田約1.3ヘクタールに小麦「春よ恋」を播種した小谷さん(左)。「播種から1カ月、生育は良好だよ」と地区担当のNOSAIみなみ・田湯真弘職員との会話に笑顔が見える〉