日米の新たな貿易協定交渉が重大な局面を迎えている。4月26日に米・ワシントンで開かれた日米首脳会談で、トランプ大統領は日本の農産物関税の撤廃を要求。さらに今月下旬に予定されている訪日までの早期合意を目指したい考えを示した。米国の強硬な姿勢を受けて、安倍晋三首相も交渉を加速させる方針を強調した。米国主導で協議が急進しかねない状況に、生産現場では先行き不安や動揺が広がる。トランプ政権が対日圧力を強めるのは、来年の大統領選挙に向けて成果をアピールしたいためだ。日本が合意を急ぐ理由はなく、国内農業の将来に大きな影響を及ぼさないよう、日本の食と農を守り抜く粘り強い交渉が求められる。
(2面・総合)