▼新天皇の即位と改元に湧いた大型連休明けに、世界の株式市場は同時株安に見舞われた。発端は、トランプ米大統領のツイッターによるつぶやきだ。中国との貿易交渉の停滞を理由に中国産品に対する関税引き上げを表明した。
▼ツイッターは、誰でも無料で登録でき、情報発信できるインターネットのサービスの一つ。発信した情報を共有し、拡散する人が多いほど世界中に情報が広がる。発信者が米国大統領ともなれば、影響力は計り知れない。しかも、トランプ大統領の発信は唐突で相手の話を聞かない一方的なものだ。
▼連休前半は、テレビなどで平成時代を振り返る企画が多く、懐かしく見た。インターネットの普及も平成に入ってからだ。当時は、仕事の連絡や報告を電子メールだけで済ませるのは失礼で、必ず電話すべきとするマナー論争もあった。昨今は、多くの情報を共有でき、日時が記録されるメールなどが基本で、電話は確認やあいさつに使われるが、毎回かける必要性は薄れている。
▼トランプ大統領は、インターネットで最大の影響力を行使する点で第一人者だろう。だが、自国第一主義に国内の強力な支持を得ていても、勝手な主張に徹し、批判はフェイク(うそ)と切り捨てては混乱をあおるだけだ。
▼インターネットも含め、他者を批判し、過激な発言をする勢力が生まれ、拡大しつつある。「北ニケンクヮヤソショウガアレバ ツマラナイカラヤメロ」と言うリーダーを望む。