豚コレラの発生が続く中、農林水産省は新たな対策として「予防的殺処分」の検討を開始した。発生農場周辺など感染のリスクが高い農場を対象に実施し、感染拡大を食い止めるのが狙い。早期の出荷を促した上で、必要に応じて殺処分に踏み切ることを検討する。昨年9月に国内で26年ぶりとなる発生が確認されて以降、飼養衛生管理基準の順守を前提に防疫対策が強化されてきたが、終息の見通しが立たず、生産現場は厳しい経営環境を強いられている。ジビエ(野生鳥獣肉)振興を含めた獣害対策にも影響が拡大しており、早期封じ込めの達成は待ったなしの状況となっている。
(2面・総合)