イノシシやシカなど野生鳥獣による農作物被害を防ごうと、ICT(情報通信技術)とAI(人工知能)を用いた対策の研究が進んでいる。獣害対策技術の面では、これまでに多様な対応資材が開発され成果も見られてきたが、被害が深刻化・広域化している地域も多く、被害額は依然、全国で160億円(2017年度)を超えている。特に高齢化や過疎化に伴う担い手の減少が課題になっており、そのため、より省力的・効率的な"スマート捕獲"への期待が大きい。画像解析を利用した自動捕獲、軽量で設置しやすい簡易構造のシカ用大型おりなど最新の研究成果を紹介する。
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〈写真:簡易構造のシカ用大型おり。鋼管で組んだ枠にネットをつり下げるシンプルな構造〉