政府が今国会に提出した「ため池管理保全法案」の審議が始まる。多発する豪雨などで農業用ため池の被災例が相次いでいることから、法律に基づき適正な管理や必要な工事などが実施される仕組みを創設する。特に決壊時に周辺区域に被害を及ぼす恐れがあるため池を「特定農業用ため池」に指定し、所有者等に適正管理の努力義務を課すとともに、都道府県による防災工事の施行命令や代執行を可能にするのが柱だ。ため池は、農業用水の安定確保に寄与している。ただ多くが老朽化し、高齢化や人手不足などが進展する中、管理・保全活動が困難な地域も少なくない。財政面も含め国がしっかりとサポートする仕組みを構築する必要がある。
(2面・総合)