豊かな日射量に恵まれた熊本県の八代海沿岸部。複数の市町に分散する農家が統一した生産基準とブランドで、かんきつの「甘夏」や「不知火〈しらぬひ〉」を栽培する「生産者グループきばる」(水俣市に本拠、緒方茂実〈しげみ〉会長=63歳、27世帯)。構成員の園地は平均約50アールで、一部では30度を超えるような山の急斜面を切り開いたところもある。自然環境への負荷を抑えるため、減農薬かつ有機肥料を使っての生産を続けている。その背景には過去の公害問題を払しょくしたいという願いが込められている。「出荷基準などを公開しつつ、高品質果を生産し続けることで、良いイメージを定着させたい」と緒方会長と高橋昇事務局長(70)は声をそろえる。
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〈写真上:果実の出来を確かめる緒方会長。「収穫まであと数日かな」〉
〈写真下:きばる共通の出荷用箱を手に高橋事務局長〉