大都市に近い産地では、パレットごと荷をトラックに積み込む「パレット輸送」が普及している。その一方で、九州などの遠隔産地では、パレットの紛失などを理由に手作業で荷を積み降ろす「バラ積み輸送」が主流となっている。トラックドライバーの人手不足が課題となる中で、手荷役作業などの負担から農産品の輸送を敬遠する運送業者も出始めるなど、物流が今後立ち行かなくなる懸念もある。長崎県農林技術開発センターなどはこのほど、青果物輸送用の発泡スチロール製ワンウェイ(使い切り)パレットを開発した。軽量で扱いやすく、使い切りのため、紛失や回収に要する手間も掛からない。民間企業による試験販売がすでに始まっており、農産品輸送の円滑化に寄与できると期待を集めている。
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〈写真:片手で持ち運びができるワンウェイパレット〉