中山間地域7集落で水田180ヘクタールを経営する岩手県一関市の農事組合法人おくたま農産は、条件不利地ながら低コスト稲作を徹底し、借り入れがなく自己資金で安定経営を続けている。全圃場で湛水〈たんすい〉直播を導入し、作業負担が少ない飼料用米を栽培。大区画圃場を生かして、収穫では1圃場に複数のコンバイン、トラックを集中的に稼働させ、農機の待機時間などの時間ロスを減らして1日10ヘクタールの刈り取りを実現。佐藤正男代表(73)は「もうけは少なくても損しないことが大切。少しの差も、積み重ねれば大きな収益になる」と話す。
(13面・営農技術)
〈写真:「自分たちでもできるだけ農機整備をしてコストを抑えている」と佐藤代表〉