兵庫県北部、神鍋高原のふもと豊岡市日高町十戸でワサビを栽培する「北村わさび」の北村宜弘さん(42)。全国的にも珍しいという平たん地のワサビ田で、湧き水を利用した独自の栽培法を受け継ぎ、約300年の伝統を守っている。優良な株を選抜して自家採種を続けてきたワサビは、味、香りとも市場や日本料理店などから評価が高い。生産の一方で、環境の変化やシカ害で減少するワサビ野を再生しようと「里山わさび復活プロジェクト」をスタート。希望者に苗を販売して植えてもらうことで、各地の里山と葉ワサビの食文化を守ろうと活動を続けている。
(3面・暮らし)
〈写真:ワサビを収穫する北村さん。年間2万本ほど生産する〉