近年、頻発する地震や豪雨などにより、ため池の決壊リスクが高まっている。「平成30年7月豪雨」では相次いで発生し、下流域の住宅倒壊や人的な被害が起こった。ため池の管理・監視体制の強化が急務となる中で、農研機構・農村工学研究部門は11日、地震や豪雨によるため池の決壊危険度を予測する「ため池防災支援システム」を開発したと公表した。決壊するまでの危険度を3段階で判定。インターネットを通じ地図上に表示し、行政や自治体、ため池管理者などが同時に共有することで、迅速な避難対策などに役立てる。ため池管理者がスマートフォンなどを使って状況を入力・送信する災害報告アプリも開発。2019年度からの運用を目指す。
(9面・営農技術)
〈図:災害時におけるため池の決壊危険度予測(農研機構提供)〉