果樹の根圏域の成長を抑制することで、樹勢を弱め低樹高化や糖度向上を狙う栽培も見られるようになってきた。コンテナや土中にシートを埋設する方式ではなく、側面と底面に複数の穴を開けた鉢に樹体を入れ、土中に埋め込んで根の伸長を一定の範囲に制限する「コントロール鉢」を開発したのは、神奈川県厚木市中依知で造園業を営む松本選(すぐる)さん(65)。鉢の側面に開けた穴には取り外しできる栓を付け、これを着脱することで微妙な生育コントロールができるという。一般家庭の植木での利用を目的に開発したが、松本さん自らビワなどの果樹に応用したところ、低木化による労力低減や糖度向上にもつながった。果樹分野での拡大が期待されている。
(14面・資材)
〈写真:栓は縁に引っかけて断線を防ぐ〉