農林水産省の調査では、2016年の新規就農者数6万150人のうち49歳以下の若手は2万2050人となり、3年連続で2万人を超えた。この背景には、各地域の農政局や都道府県、自治体単位で講じられた就農支援策を活用し、就農につなげている例も多い。長野県佐久市でズッキーニ2.2ヘクタールやミニトマト25アールなどを栽培する、坂下農園の代表・坂下理人(りひと)さん(37)は、8年前に出身地の神奈川県からIターン就農する際に、長野県の新規就農里親制度(以下、里親制度)を活用。「里親」と呼ばれる経験豊富な農業者の下で研修を受け、スムーズな独り立ちにつなげた。若い担い手を育成するには、新規就農者の意欲はもちろんだが、受け入れる側の体制づくりが問われている。
(1面)
〈写真:定植から2週間ほどたったミニトマト「アイコ」の苗を管理する坂下さん。ミニトマトは就農当初から手掛けている〉