施設トマトでコナジラミ類による吸汁害や病害の拡大を防ごうと、広島県立総合技術研究所では害虫を園地から遠ざける新型の農薬「害虫忌避剤」の実証試験を行っている。害虫の行動を制御して摂食や交尾などを阻害する仕組みで、既存の殺虫剤と比べて薬剤抵抗性が発生しにくいとされるのが特徴。天敵や授粉昆虫などに影響が少なく、害虫を捕食するタバコカスミカメと組み合わせるなど実用化に向けた防除体系の構築を進めている。忌避剤は内閣府の「戦略的イノベーション創造プログラム」(SIP)で研究機関や民間による共同研究により開発され、4月末の市販化を予定する。
(15面・営農技術)
〈写真:実証試験に参加する立花さん。「病害の発生を抑えたい」と話す〉