家族4人で黒毛和牛200頭(母牛80頭)規模の繁殖・肥育一貫経営をする滋賀県近江八幡市大中町の木下牧場では、レストランの料理人などの要望を踏まえながらサシの多さにこだわらず、脂身と赤身のバランスを重視した自家配合飼料を給与し、食い込み量が多く健康的な牛づくりを心掛ける。従来、脂肪交雑のために行う肥育中期のビタミンA給与量の制限をせず、食欲を低下させずに十分に生育させる。肥育の前中後期で飼料を大きく変えず、一頭一頭の体格や発育を観察しながら手で濃厚飼料など給与量の微調整を行う。粗飼料や濃厚飼料の国産割合を高めるなど、銘柄牛産地ながら牧場独自のブランドを構築している。
(9面・営農技術)
〈写真:「配合を調整するには普段の観察が欠かせない」と木下さん〉