鹿児島県南九州市付近に17日に上陸した台風18号は、広い暴風域を伴ったまま日本列島に沿って北上し、18日夜に温帯低気圧に変わった。九州・四国・本州・北海道の4島すべてに上陸した台風は観測史上初めてで、活発な前線の影響も加わって全国各地で激しい暴風雨に襲われ、水稲や果樹、園芸施設など農業関係分野にも大きな被害が発生した。
農林水産省によると21日午前10時現在、38道府県から被害の報告があり、農作物等は30道府県で1万1931ヘクタールに及んでいる。農業用ハウス等は27道府県で2134件、果樹の樹体は10道県で184ヘクタールとなっているほか、農地・農業用施設などへの被害も確認されている。なお、被害状況の確認を進めている地域もあり、被害の規模はさらに拡大する見通しだ。
被災地域のNOSAI団体は、早期の共済金支払いに向けて被害状況の確認や迅速な損害評価の実施に全力を挙げている。
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〈写真:水田に土砂が流れ込んで稲が埋没した(18日、大分県臼杵市野津田町田野、写真提供:NOSAIおおいた)〉