高知県四万十市の大屋敷集落では、住民全戸で全長10キロに及ぶ野生獣の侵入防止柵を施工して獣害を克服し、地元産の農林水産物を安定的に県外へ売り込んでいる。無償で譲り受けた漁網も再利用して柵に活用。住民が毎月、自宅や所有する農地の周辺を見回り、点検・補修する。住民の結束が獣害対策で一層強まり、耕作放棄地を再生したかんきつ栽培も始まった。米や野菜、原木シイタケ、川で取れるアユなど中山間地域の豊富な資源を東京のスーパーや飲食店に出荷する販路を確保。集落で安定収入を得られる手段を生み出し、若者の移住、定着にもつなげたい考えだ。
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〈写真:順調に育つブシュカンに笑顔だ。左から山本さん、原田さん、小野川専門員〉