離島で生まれた若者が島を去る要因の一つに進学先がないことが挙げられる。島内で大学に通えて、しかも地元の社会・環境を教材に教育が受けられれば、定着率も高まるのではないか――。鹿児島県の沖永良部島では4月から、通信制の星槎(せいさ)大学が「サテライトカレッジ」を開校。島の若手農家らが大学に進学できるようになる。テレビ電話システムなどで、全国の講師と島を結び、授業を受ける。カリキュラムには、島独自の実習も組み入れ、島の未来を担う人材の育成を目指す。これまで、大学進学には、多額の生活費や学費をかけて島外に移り住む必要があった。若年層の人口流出のくい止め効果や、生涯学習の場としても期待されている。
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〈写真:願書を提出した竿さん(右)の美容院で話す石田塾長〉