「大豆は良品を多く作れば収益が見込める。経営の主力だ」と、滋賀県東近江市建部上中町の菊井寛さん(69)は強調する。麦作後の圃場を集積し、大豆「エンレイ」「ことゆたか」「タマホマレ」計19ヘクタールを栽培する。排水が悪い圃場では弾丸暗渠(あんきょ)の間隔を狭め、狭畦(きょうけい)密植栽培で苗立ち数を確保しつつ、中耕・培土を省く。生育が良い圃場は、開花期前に摘芯して倒伏を防ぐ。分枝の生育を旺盛にして1株当たりの着莢(ちゃっきょう)数を増やす狙いもある。大面積をこなしながらも圃場ごとの丁寧な管理で、10アール当たり収量238キロ(県平均150キロ)、上位等級比率83%を達成する。
(9面・営農技術)
〈写真:大豆に害虫が付いていないか確認する菊井さん。今年はハスモンヨトウが多発したという〉