「震災を経験して、地域や自分にとって伝統野菜がいかに大事だったかを感じた。守るという思いが農業を続ける力になっている」と、新潟県長岡市山古志の青木幸七さん(80)は話す。「山古志かぐらなんばん保存会」の会長を務め、同地区で昔から栽培されている伝統野菜を受け継ぐ。最大震度7を記録した新潟県中越地震から12年。「山古志かぐらなんばん」の生産・普及には、後継者不足など課題も多いが、定年退職者に声掛けし、会員を増やすなど被災地・山古志地区の再興を示す伝統の味を次世代につなげている。
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〈写真:今年の出来を確認する青木さん〉