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防風林「農高生の米作り、腕をみがいて将来はプロに【2016年7月2週号】」

 ▼今、「夏の甲子園」の予選大会が全国各地で繰り広げられている。説明するまでもなく〝高校野球〟のこと。〝甲子園〟という言葉のもつ響きは、高校球児の汗や涙を連想させ、日本人の琴線に触れやすいのかも。
 ▼体育会系の部活動は何かと脚光を浴びるが、最近は、書道やダンスなどの非運動系でも、会場が異なるのに「○○甲子園」と称する全国大会も増えている。さらに、高校生が対象ではない「直売所甲子園」も盛況だ。ただ、歓喜の姿や敗者への拍手や声援には、競技にかかわらず熱いものが胸に込み上げてくる。
 ▼本紙もオフィシャルスポンサーとして後援する「全国農業高校 お米甲子園」(主催:米・食味鑑定士協会ほか)が今年は、熊本地震の被災県・菊池市を会場に開かれる予定で現在、参加登録を受け付けている。昨年の最高金賞は鳥取県立倉吉農業高校、プレゼン部門グランプリが青森県立五所川原農林高校。
 ▼高校生の米作りだからと侮ってはならない。アイガモ農法のほか食味向上、環境負荷低減に配慮した肥培管理技術にも工夫する。米・食味分析鑑定コンクールと同様に、収穫した米のサンプルを食味計値を元に事前審査、本大会では食味鑑定士が慎重に試食して受賞者を決定する。
 ▼農業高校の現状は、後継者育成の機能は薄れ卒業後に就農する生徒は3%程度と少なく、ほとんどが企業への就職だ。お米甲子園に挑戦した生徒の一握りでも将来、プロの米作り農家として羽ばたいてくれることを真に願っている。