【高知支局】「あっさりとしていて、赤身にしっかり味があるところが『あかうし』の魅力ですね」と話す越知町の松田卓士さん(33)。父の年史さん(58)と従業員の3人で肥育牛約100頭を飼養し、約4割が「土佐あかうし」だ。
おとなしく飼育しやすい反面、出荷時の体重が黒毛より平均30キロほど少なく、等級にばらつきが出やすいため、「経営効率では黒毛に劣るが、よそにはない、高知のブランド牛だから」と、あかうしを育てる松田さん。経営する直営の精肉店でも若い世代を中心にニーズは高い。
「店でお客さんに肉を直接手渡すので、絶対に手は抜けない」と、配合飼料は使わず、フスマ、麦、トウモロコシなどを自家配合する。今年1月に経営委譲されたばかりで、「今は父の経験に頼っていますが、あかうしに合う独自の配合も研究したい」と意欲を話す。
〈写真:土佐あかうしと松田さん〉