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3年連続バター追加輸入 年末需要へ6千トン/生産基盤強化が急務(1面)【2016年6月1週号】

 農林水産省は5月31日、バター6千トンと脱脂粉乳2千トンを追加輸入すると発表した。近年、バター不足が社会問題化する中、今年も生乳生産量が減少するとの予測や、猛暑による生産減の可能性などを考慮し、年末に向けた需要期への安定供給に万全を期す。追加輸入は3年連続となり、常態化を阻止するには国内生乳生産の維持・拡大が急務となっている。当面の対策として生産現場には今夏の暑熱対策など飼養環境の改善が求められる。一方、生乳不足の根本的な原因である国内生産基盤の弱体化は、飼料価格の高止まりや環太平洋連携協定(TPP)合意などに伴う先行き不安が大きく影響、突然浮上した指定生乳生産者団体制度の抜本的改革も生産現場の不安を増幅させている。政府は、酪農家の不安を安心に変える施策の拡充・強化に力を注ぐべきだ。

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