初夏の休日、千葉県いすみ市桑田に住む米農家の安藤クニさん(72)は、無人駅のホームで乗客を待つ。房総半島を横断するいすみ鉄道の存続を目的に活動するボランティア「いすみ鉄道応援団」に参加。料理の腕を生かし、自家産米などを使った駅弁を販売している。全ての総菜を手作りし、花柄の太巻きずしなど地元の家庭料理で彩る。電車の到着を待つ間は、観光客の道案内などで交流し、地元住民も集う場となっている。「田舎に癒やされて、また元気に月曜日を迎えてほしい」と安藤さんは話す。
(3面・暮らし)
〈写真:「この年になったからこそ、伝えていくことを大事にしたい」と太巻きずしを手に安藤さん〉