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和ナシ 適期に共同防除【秋田県・6月1週号】

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 【秋田支局】県内でも有数の和ナシ産地として知られる、男鹿市五里合の中石(ちゅういし)地区。同地区では農家一人一人が丹精込めて育てた果実を病害虫から守るため、40年ほど前から生産者が共同で防除活動を続けている。
 中石地区で共同防除を実施している中石果樹生産組合(永井忠好組合長=57歳、生産組合員48戸)では、同組合内に共同防除組織を設け、同組合が所有するスピードスプレヤー9台と個人所有の12台で56ヘクタールの園地を一斉に防除する。黒星病や黒斑病などの病害、カメムシ類、ハダニ類などの害虫が主な防除対象だ。
 作業は、4月上旬から8月中旬までに15回、収穫終了後の10月下旬に1回実施。基本的にスピードスプレヤー1台につき2人が散布作業にあたる。
 また、防除を的確なものにするため、7人の予察委員を配置。毎回の散布前に園地を巡回し、病害虫の発生状況を確認しながら使用薬剤と散布日を決める。防除機の整備も、担当者が年1回、冬期間のオフシーズンに点検し、円滑な作業を支えている。
 永井組合長は「共同防除は適期に産地全体を一斉防除するため、防除効果に優れているし、費用対効果も高い。また、高齢農家の労働力不足の軽減・解消にもつながっている」と話す。

〈写真:共同で防除活動を行う中石果樹生産組合〉