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自慢の牛肉を移動販売【愛知支局・2016年5月1週号】

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 【愛知支局】「何事もチャレンジしてみようとの思いで直売を始めた。これからもいろいろなことに挑戦していきたい」と話すのは、南知多町内海で交雑種50頭を飼養している大岩智さん(50)。2015年4月に「知多牛工房 牛小屋」をオープンさせ、妻のマサミさんと二人で自慢の肉を販売している。
 肥育農家を始めて25年目。安心・安全な肉を作っている自負のあった大岩さんだが、2001年に発生したBSE(牛海綿状脳症)の風評被害により販売価格が暴落し、一時は廃業も考えた。そんな時に趣味を通じて知り合った仲間に励まされ、まずはネット販売を始めた。その後、地域ブランド牛「あいち知多牛」の立ち上げに携わり、ブランド牛として出荷。「おいしい肉を消費者に届けたい」との思いがさらに強くなったという。
 2013年に、工房をオープンすることを決意し、地元の過疎化を憂い、車で移動販売を行うことも決めた。
 大岩さんの肉は、天然酵母を牛に与え、餌の配合を工夫したため、脂の融点が低いのが特徴だ。脂身が黄色いのは融点が低い証拠で、口当たりがよく、うま味も増すという。
 地元の観光施設やJAの直売所、高齢者サロンにも出向き、精肉や総菜を販売している。名古屋市内のイベントへの出店や飲食店への卸も増えてきている。
 最近では6次産業化の認定も受け、地域の6次産業化した農家と一緒に新たな活動をすることも企画している。「直売を始めて、今まで出会う機会のなかった人や知らなかった世界を知れた。これからも肉の販売を通じて、内海を楽しいまちにしていけるように頑張りたい」と笑顔で話してくれた。

〈写真:自慢の移動販売車の前で大岩さん夫妻〉