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思い出詰まった往年のコンバイン【宮城支局・2016年5月1週号】

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 【宮城支局】「わが家の農業の歴史を伝えるものとして大切に残していきたい」と話す、大崎市の只野直治さん(67)。農業過渡期に大きな存在を示した汎用(はんよう)コンバインを大切に保管している。
 コンバインは、只野さんが学生だった1968年に、国の事業を活用して祖父が導入した。カナダのインターナショナル・ハーベスター社製で、ガソリンエンジンは40馬力。鉄製のクローラを装着し、価格は600万円と高額なものだった。
 当時は刈り取りから脱穀までが手作業。「省力化にコンバインは大きな役割となった」と只野さんは話す。
 収穫は、刈り取り幅3メートルで1日4ヘクタールほどが可能となり、「祖父は『農業にも大型機械が取り入れられ、人手が省けて、作業が楽になる時代がきた』と感慨深げだった」と只野さんは振り返る。
 5年間ほど使用した後は更新され、現在まで格納してきた。只野さんは「譲ってほしいという声は何度かあった。今は動かないが、先代と一時代を歩んだものなので、これからも残していきたい」と話す。

〈写真:コンバインの前で直治さん(左)と息子の直仁さん〉