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防風林「良食味米の評価、実需者とのつながりも必要【2016年3月4週号】」

 ▼日本穀物検定協会が公表した「平成27年産米の食味ランキング」で、「特A」は昨年産より4点多い46。専門員による食味試験で評価するのだが、格下の「A」との差は鈍感なわが舌では区別がつくまい。
 ▼品種別には「コシヒカリ」が19産地と最も多く、「ひとめぼれ」「つや姫」と続く。九州産ながら良食味米として消費者から支持を得ている品種が、特Aから格落ちするなど、産地の天候不順が品質に著しく影響するのだ。
 ▼東北地方で唯一、特A実績がなかった青森県は「青天の霹靂(へきれき)」で初めて特Aに選定され、県内稲作農家にとって産地イメージを払拭(ふっしょく)する契機として、今年の作に意気込んでいるはず。気象の機嫌が産地の明暗を分ける。
 ▼2015年産米は、大幅に値を下げた14年産よりも上向きに転じたが、農家が満足できる水準にはほど遠い。食味ランキングが消費者の購買意欲を刺激し、価格や需要を押し上げられるほどの材料になればいいのだが。
 ▼毎年、各地で米食味鑑定コンクールが開かれているものの、受賞者の米が銘柄米として市場で高値取引される例は一握り。「受賞の常連農家でも一般生産者との横並びなのが現実」との声が強い。生産者と、卸・料理店などの実需者をつなぐ橋渡し役が求められている。