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防風林「自治会運営の岐路、身の丈に合った姿を語り合うべき【2016年3月1週号】」

 ▼編集部宛てに毎週たくさんのはがきが届き、クイズへの応募や投稿には、本紙への意見や感想が記されている場合が多い。便りの中に、切実なむらの現況を書き記す一葉があった。
 ▼「住民の80%以上が高齢者という限界集落に住んでいます。最近は、多忙なのか自治会や敬老会、交流会の集まりに参加する方がめっきり減少してきました。会の運営に非協力的な方も多くなっているのが悩みです」。
 ▼都市部での自治会への参画意識低下はよく耳にするが、農村部しかも連帯意識が強いとされる山村にも見られるよう。集会所までに要する往復や草刈り・清掃などの共同作業に苦痛を感じる、年金からの自治会費支払いが負担、など理由はそれぞれ。
 ▼地元で活力ある地域づくりに取り組む優良事例を本紙では、多様な視点からルポしている。中には「その集落には昔からの地域資源があり、地域づくりが容易に成功した事例では。何も特徴のない場所の活性化は非常に難しい」と指摘する人もいる。
 ▼名所・旧跡や寺社仏閣、芸能、野菜、料理など、伝承されてきた地域資源が地元に存在しなくても、結束の強い自治会はある。全住民が参加できる身の丈に合った自治会の姿を語り合うのはどうか。その先には、人が織りなす新たな地域資源が見つかるはずだ。