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防風林「金では買えない環境に配慮すべき隣国【2016年2月3週号】」

 ▼韓国での口蹄疫発生で、国内へのウイルス侵入防止に厳しい防疫体制が敷かれている。周囲ではインフルエンザがはやり、近隣の小学校では数クラスが学級閉鎖。外出先でもマスク着用者が目立ち異様な光景だ。
 ▼インフルエンザや花粉予防でもないのに、マスク着用が必要なのは中国の都市住民。エネルギー源を低質な石炭に頼り、工場や家庭から排出される黒煙が大気を覆い、日中でも夕方かのような薄暗い日が多いという。
 ▼PM2.5という超微粒子は、一般的な市販マスクを通過してしまうというから深刻。住宅の窓にテープで目張りをしても、室内で稼働する空気清浄機のフィルターは真っ黒だ、とテレビの情報番組が深刻さを報じた。
 ▼国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)が昨年末、〝産業革命時より世界的な気温上昇を2度以下に抑える〟などの「パリ協定」を採択した。中国も含めた参加国が削減目標を5年ごとに提出・更新する。
 ▼国民の健康や生命をも脅かす大気汚染。かつて高度経済成長期の日本も光化学スモッグなど公害が社会問題化し克服した。日本で爆買いに走る富裕層に、「環境への配慮」を説いても貸す耳は持たないだろう。旧正月・春節を機に、金では買えない環境への転換を熟慮すべきだと考えるが。