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凍みイモ ―― 郷土食を守りたい【岩手支局・2016年2月2週号】

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 【岩手支局】冬の寒さを利用した保存食「凍(し)みイモ」作りの作業適期を迎え、作業に励む田野畑村明戸の菊地英光さん(57)。同村の郷土料理「いもだんす」には凍みイモの粉を使うが、作り手は少なく、「次代につないでいきたい」と凍みイモ作りに力を注ぐ。
 凍みイモ作りは1月(小寒~大寒)に行われる。戸外で凍らせた後、自然解凍したジャガイモをぬるま湯に浸して皮をむき、30~40個ひもに通したものを川の流水に約10日間浸してアクを抜く。雨雪が当たらない場所で1カ月以上乾燥させ製粉。イモは直径5センチほどで、手作業で皮をむく。菊地さんは「手間はかかるが、手作業の方が良品に仕上がる」と話す。
 「冬場の貴重な保存食・収入源になる。郷土食として伝わってきたものを無くしたくない」と、菊地さんは今後の生産に意欲を燃やす。

〈写真:凍みイモの乾き具合を確認する菊地さん〉