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水稲の冬越し直播栽培で労力軽減【新潟県・1月4週号】

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 【新潟支局】新発田市米倉の農事組合法人米倉村(嶋津一男代表理事=65歳)では、水稲栽培作業の効率化を図るため、仕事量が減る冬季に無人ヘリによる直播作業を行った。冬季に無人ヘリを利用した直播作業は、県内で初めての取り組みとなる。
 農事組合法人米倉村では、水稲65.8ヘクタール、ホールクロップサイレージ(WCS)用稲27ヘクタール、大豆6.1ヘクタールを栽培している。
 昨年、直播の際に残った種籾(たねもみ)を有効活用できないかと考えていた。検討を重ね、集落に冬季に背負動力散布機で直播作業を行った経験がある者がいることから、大規模圃場で無人ヘリを利用した直播を行うことを決めた。
 新潟市西区にあるヤンマーアグリジャパン株式会社に相談したところ、農閑期の無人ヘリの有効利用にもつながることから全面協力の承諾を受けた。昨年12月8日、1.2ヘクタールの圃場で「こしいぶき」の直播作業が行われた。
 同法人では水稲栽培面積が大きく、春作業が集中していた。この栽培技術が確立できれば、春作業の労働時間の軽減に加え、育苗・田植え作業を省略できるという。1.2ヘクタールの圃場への田植えは2時間かかるが、無人ヘリでの播種作業は約15分で終わる。
 嶋津さんは「育苗の必要もないので、低コストでの生産が求められるホールクロップサイレージ稲の栽培に、この方法が確立できれば経費15%カットも夢ではない。初期の発芽率を高め、冬越し直播栽培技術を確立させたい」と意欲を見せる。

〈写真:種籾を播種する無人ヘリコプター〉