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土の若返り資材 転炉スラグに期待(12面・資材)【2016年1月4週号】

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畑地→酸性土壌を矯正 水田→硫化水素の発生軽減
 病害の被害抑制や微量要素の供給が可能な土壌改良資材として、製鉄工程での副産物「転炉スラグ」が注目されている。畑地では、生育障害の要因となる酸性土壌を矯正でき、アブラナ科野菜の根コブ病やトマト青枯れ病などの抑制効果も見られるという。水田では、土作り資材として利用されるケイ酸カルシウムに加え鉄を供給し、根の生育を阻害する硫化水素の発生を抑える。利用には土壌消毒や土壌診断に基づいた施肥改善、有機物の施用などの組み合わせが有効だ。普及への課題は、散布時の労力やコストの低減だ。農研機構がまとめた転炉スラグの研究成果集を参考に、施用に関する技術の要点を紹介する。

(12面・資材)

〈写真:「肥料と違い、造粒するとセメント状になり地中で崩れない」と説明する後藤名誉教授〉