和牛一貫経営で繁殖牛60頭、育成牛35頭、肥育牛130頭を飼養する広島県神石高原町時安の合同会社向牧場では、繁殖牛用に放牧地(3ヘクタール)を確保するなどストレスを与えない工夫で、発情がきやすい環境を整備し、分娩(ぶんべん)間隔11.3カ月を達成している。子牛は生後1週間で早期離乳させて人工哺育し、分娩後の繁殖機能回復を早める。発情予定日をホワイトボードに記帳し、毎日確認して発情を見逃さない。27カ月齢まで肥育し、食肉卸に出荷する。家族4人で作業分担を図り、高騰する素牛(もとうし)相場に左右されない安定経営に努めている。
(9面・営農技術)
〈写真上:「頭に入っていても、毎日必ず見る」と発情予定日を確認する隆司さん〉
〈写真下:「自家産の牛は飼養環境が変わらないため、増体がいい」と靖弘さん〉