実態踏まえた事業に制度改善を求める声
長崎県雲仙市愛野町の上町哲夫さん(71)は、海に面した圃場約90アールを共同利用しジャガイモを生産する。イノシシによる被害が多発した2012年度に国の鳥獣害対策の補助事業を活用し、ワイヤメッシュ柵を設置した。柵の耐用年数は、事業では14年間とされているが、潮風の影響により数年で劣化。イノシシに破られるおそれがあったため、新たに自費で亜鉛メッキを施した柵を購入して補強せざるを得なかった。今後、全国的に柵の経年劣化が進むと、修繕や更新などにも対応した補助事業の見直しを求める声が増えそうだ。
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〈写真:既設のワイヤメッシュ柵の内側に、補強のために設置した亜鉛メッキ柵を見回る上町さん〉