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伝統野菜「平良カブ」 自家採種で守り続ける【秋田県・12月2週号】

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 【秋田支局】明治時代から東成瀬村平良地区だけで栽培されてきた青首の長カブ「平良(たいら)カブ」。同地区の佐藤絹子さん(80)は毎年、自家採種した種子から生産を続け、栽培歴は半世紀を超える。「うなぎ屋が秘伝のタレを切らさないように、この種を切らしたくない」と、伝統野菜の保存に熱意を見せる。
 平良カブは無化学肥料、無農薬で栽培され、独特の食感とピリッとした辛味が特徴。地区内10戸ほどの生産者が、村内の農事組合法人「なるせ加工研究会」へ出荷し、同研究会が加工、販売する。佐藤さんは100キロほどを出荷する他、地区全体では1トンほどの実績だ。
 約5アールの耕地を計画的にローテーションし、根コブ病の発生を防ぐ。「行政やJAの指導で自家製EMボカシ肥料を基肥に使ってからは、根コブ病を見ない」と胸を張る。

〈写真:平良カブの栽培歴が50年以上になるという佐藤さん〉