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生分解性プラスチック トータルコストで採算性も(6面・資材)【2015年11月4週号】

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 使用後の農ポリ製マルチフィルムは、圃場外搬出を含めた適正処理が義務付けられているものの、処理費用や過剰な労力がかかるなど高齢農家や規模拡大を目指す農家の障害となっている。微生物の働きで炭酸ガスと水に分離し消滅する「生分解性プラスチック」(BP)は、作業労力や環境負荷の軽減が図られることから期待の素材といえる。しかし、製品価格が農ポリより高額な上、分解速度制御の難しさもありマルチなどの代替素材までには至っていない。農業環境技術研究所が先ごろ東京で開いたシンポジウムでは、開発した酵素の処理によりポリ乳酸などBPを急速に分解促進する研究成果を報告。同素材の応用範囲を一段と広げられる可能性も出てきた。現状と今後について取材した。

(6面・資材)

〈写真:分解酵素(PaE)による生分解性プラスチックの分解。約3時間後には分解した(右写真)〉