「品質の高いサツマイモを生産すれば、それに応えてくれる消費者が必ずいる。お客さんの声は、品質向上とやりがいにつながる」と、鹿児島県曽於市大隈町荒谷の吉川和敏さん(51)は話す。サツマイモ10ヘクタールを栽培し、出荷・販売する吉川農園の代表だ。焼き芋屋を経営する製造販売業者と契約取引して、年間約200トンを出荷。主力の「べにはるか」は、4ヘクタールで栽培。糖度20度以上という甘味が人気を集め、全国から引き合いが強い。個人向けに販売する冷凍焼き芋「わたしのお芋さま」では、今までにない新しい食べ方を提案するなど新商品開発にも力を注ぐ。業務用を軸に、個人向け商品でニーズの把握に努めるなど、消費者の信頼に応えながら売り上げを伸ばしている。
(9面・流通)
〈写真:「人間で例えればじゃじゃ馬娘。手を掛けた分だけ応えてくれる」と、つるはしで掘った洞窟でべにはるかの熟成を確認する吉川さん〉