世界のバターや全脂粉乳の輸出出回り量の6割以上を輸出するニュージーランド(NZ)酪農は"世界最強"の酪農と言われる。環太平洋連携協定(TPP)の大筋合意は、乳製品についても関税削減や輸入枠の設定など、日本が大幅に譲歩する結果となった。農林水産省は、バターや脱脂粉乳では国家貿易の追加輸入の範囲内で関税割当を設定し、熟成チーズやクリームチーズでは長期の関税撤廃期間を確保したとし「牛乳も含めた乳製品全体の国内需給への悪影響は回避」されたと説明するが、厳しい環境で生乳生産を続ける農家からは懸念や先行き不安などの声が上がる。
(1面)
〈写真:牧草地で笑顔を見せるフィッシュ夫妻〉