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コウノトリが生息できる環境に【埼玉県・11月1週号】

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 【埼玉支局】鴻巣という地名の由来ともいわれているコウノトリがすんでくれるような自然豊かな環境を取り戻そうと、鴻巣市で「鴻巣コウノトリを育むモデル水田づくり」が2012年に始まった。この事業に参加する同市小谷地区の森田喬(たかし)さん(71)と福田悟さん(68)は、小さな生き物を育むため、無農薬で有機肥料を使った水稲栽培に取り組む。
 モデル水田の特徴は深水管理による水田雑草の抑制、田んぼと排水路をつなぐ魚道とビオトープを設置したこと。圃場に併設したビオトープは2アールで、土用干しの際に田んぼにいるオタマジャクシやドジョウなどの小さな生き物の生育場所を確保するとともに、冷たい井戸水をビオトープ内に通すことで田んぼの水温を上昇させ、稲の生育を促す役目を果たす。
 福田さんは「子どもたちに豊かな水辺環境を残し、小さな生き物と直接触れ合ってほしいと思った。環境を整えれば、いつかコウノトリが来てくれる」と期待を寄せる。

〈写真:モデル水田の前で森田さん(左)と福田さん〉