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サル用大型囲いわな 高さ4メートルの壁で脱出阻む【島根県・10月3週号】

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 【島根支局】サルによる被害を長年受けてきた邑南町西鱒渕(にしますぶち)集落。被害を少しでも減らそうと、西鱒渕野猿被害対策組合(間茂樹代表=72歳・構成員72戸)では、箱わなと並行して大型囲いわな「地獄檻(おり)」を導入した。
 地獄檻は、天井のない八角形の囲いの簡潔な構造だが、約10メートル四方、壁の高さは4メートルに及ぶ大きな仕掛けだ。壁は中で育てているおとり用作物が外から見えるよう、下部の1メートルにワイヤメッシュを張り、内壁の上部3メートルには足がかりのないようにトタンを張る。ワイヤメッシュ越しに内部のおとりの作物を見たサルが、外側に設置した侵入用の丸太を伝って侵入すると、アリジゴクのように脱出ができない作りだ。
 2015年から本格稼働したこのわなで、同年4月と5月の2カ月だけで10頭を捕獲。サル被害対策に手応えを得ている。
 同組合では今年からサルの寝床めがけて光や音で脅すなど、集落に寄せ付けない活動も始め、被害に負けない地域を目指す。住民の日高洋子さん(77)は、「以前は20頭ほどの群れで頻繁に畑へ来て、野菜の食害に悩まされていました。今年は2、3頭ほどで、来る回数、被害の量もぐっと減り、助かっています」と話す。

〈図:地獄檻〉