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種雄牛「室太郎」と「美津忠」を育成【埼玉県・10月3週号】

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 【埼玉支局】寄居町桜沢の室岡重雄さん(68)は、妻・登志さん(66)とパート1人と共に黒毛和牛の繁殖に取り組む。母体には「安福久」「第1花国」「勝忠平」「花清国」の血統を主体に、親牛(雌)60頭から子牛55頭を生産する他、酪農家と協力して受精卵移植(ET)で多くの子牛を生産する。
 室岡さん方では、飼育する親牛60頭のうち年間10頭から受精卵を採取し他農家の牛へ移植する。こうして生まれたET子牛20頭を買い取り、通常の繁殖で生まれた55頭と合わせて年間75頭の子牛を出荷する。
 系統の優れた「もとじろう」血統の「もとみつ」×「百合茂」の交配受精卵から「室太郎」を生産。すると、2013年に日本で有名な鹿児島県の人工授精所に注目され、種牛として鹿児島県で活躍している。翌年には、「もとじろう」血統の「もとみつ」×「忠富士」の交配受精卵から「美津忠」を生産し、室太郎と同じく種牛として活躍している。
 「この2頭の出荷直後からきた全国の生産農家からの注文や問い合わせに対し、今までにない喜びや手応えを感じている。やっと、自分の理想が現実となった」と室岡さんは話す。

〈写真:飼育する和牛と室岡さん。「今度は新たな種牛の生産に挑戦したい」と話す〉