ヘッドライン一覧 購読申込&お問い合わせ 農業共済新聞とは? 情報提供&ご意見・ご感想 コラム防風林

福島県産あんぽ柿に回復の兆し【福島県・9月4週号】

 【福島支局】県北部を中心に栽培・加工が盛んなあんぽ柿の今年の出荷目標がこのほど、東日本大震災前の出荷量の75%と決定された。
 国や県、福島市、伊達市、伊達郡の関係市町とJAなどで構成する「あんぽ柿復興協議会」は、7月に行った幼果の放射性物質検査をもとに、加工できる地域を全域に拡大(加工自粛の一部地区を除く)し、出荷量も前年実績約500トンの2倍以上となる1157トンと設定。出荷再開3年目となる今年の出荷量を震災前の75%とした。
 幼果の放射性物質検査は、畑ごと品種別に行われ、その結果、1キロ当たり10ベクレル以下の畑からの原料柿生産と干し柿加工が認められた。
 伊達市梁川町五十沢で果樹と水稲を営み、あんぽ柿を約2ヘクタール、成木400本を栽培する曳地一夫(ひきちかずお)さん(57)は、「250グラム入りトレーだけの出荷は変わらない。以前のように1キロの化粧箱などでも消費者に提供してみたい。風評払拭(ふっしょく)のためにも早く以前の出荷形態がとれるよう関係者には頑張ってほしい」と将来の生産・加工に意欲を見せる。