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農産物の残留農薬 簡単・迅速に分析【宮崎県・9月2週号】

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 【宮崎支局】宮崎県総合農業試験場、大阪大学、神戸大学、株式会社島津製作所で構成する研究・開発チームが、農産物の残留農薬などの成分分析を全自動で、しかもこれまでの半分以下の時間で処理する装置を開発し、国内外から注目されている。
 同チームは、農産物の残留農薬500種を50分という短時間で分析できる「Nexera(ネクセラ)UC」を共同開発。これまで残留農薬分析は、水溶性成分と油溶性成分に対し、別々の装置で調べていた。ネクセラUCは「超臨界流体二酸化炭素」を用いることで、これらの検査を1台で処理することができる。
 同試験場が開発している残留農薬分析技術でも、検査に必要な前処理や抽出に60分を要する。ネクセラUCでは、15分と大幅に短縮され、成分の測定もこれまでの60分から35分に短縮できる。開発に携わってきた同試験場の安藤孝生産流通部長は「日本から輸出される農産物の安全性に基づく信頼を確保・維持していくため、技術的分野に貢献したい」と話す。

〈写真:「米国の分析機器展示会で金賞も受賞しています」と安藤部長〉