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トマト低段密植栽培 軽労化で多収【新潟県・8月2週号】

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 【新潟支局】県内では数少ない、トマトの「低段密植栽培」に取り組んでいるのは、新潟市北区で「豊栄とまと」のブランドで栽培する本田敏明さん(54)。同区のトマト栽培農家と2人で、昨年から試験的に取り組みを始めた。今、新たな栽培方法として注目を集めている。
 慣行栽培では通常、年間2作で10アール当たり13トンの収量を見込むが、低段密植栽培にすることで、年間3作で約2倍の収量が見込めるという。高さ1メートルほどに設置されたハンモック型の棚にポット苗を敷き詰めるように配置するのがこの栽培方法の特徴。また、慣行では主幹に着果させ8段まで収穫するが、低段位の3段で終了させる。これにより、栽培の密度と回転率が上がり多収化できる。
 ハウス内の環境は全てコンピューターで制御され、日射量に応じて適量の養液が自動で給液される。養液は掛け流しせず、排液を循環させ再利用するため、環境に優しいだけでなく、水や肥料のロス低減も図れる。
 「薫炭培土を使用しているので土壌病害の心配はなく、収穫後に土壌消毒をする必要もありません」と本田さん。農業経験が少ない人でも安定的な生産が期待できるため、「後継者不足の解消にもつながるのでは」と期待を寄せる。

〈写真上:低段密植栽培のトマトハウスで「作業効率がいい」と本田さん〉
〈写真下:低段密植栽培が行われているハウス内〉