「おいしい農産物を作るには、"活(い)きた土づくり"が基本だ。手間とコストを掛け、信念を持って堆肥を作っている」と話すのは、山口県美祢市伊佐町の有限会社梶岡牧場の取締役・梶岡秀吉さん(41)だ。和牛一貫経営で繁殖牛20頭を飼養するほか、交雑牛300頭を預託管理する。牛房の敷料として使用した木質チップを、発酵熱75度で2週間維持させて雑草種子と病原菌を死滅させ、6カ月間熟成させると、良質堆肥が完成する。供給が追いつかないほど人気で、売上高が経営全体の25%を占める。スーパーと連携し、堆肥施用を共通項とするブランド化を進め、循環型農業の価値を広く発信している。
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〈写真:「75度、ちょうどでしょう」と温度計を手に秀吉さん。堆肥プラントにはハエが少なく、いやな臭いがしない〉