「イグサ農家の経営は厳しく農家数は減少している。水稲や油糧作物のナタネを組み入れた輪作体系によってリスク分散につなげている」と熊本県八代市鏡町のイグサ栽培農家・岡初義さん(58)は話す。イグサと水稲、ナタネ、WCS(発酵粗飼料)用稲を輪作し経営の多角化を実現している。農家4戸で構成する「やつしろ菜の花ファーム987」の代表を務め、収穫後のナタネ残さをすき込んで栽培した米を「なの花米」と名付けブランド化、新八代駅やインターネットで販売する。ナタネから採取したナタネ油や蜂蜜も所得確保につなげるほか、栽培を通して景観改善や食育に発展させるなど地域貢献も大きい。
(9面・営農技術)
〈写真:イグサの生育状況を確認する岡さん〉