十分な情報開示もないまま、環太平洋連携協定(TPP)交渉合意に突き進もうとする政府に対し、生産現場では強い不信・不安が広がっている。米国の「大統領貿易促進権限(TPA)法」成立を受け、日米両政府は、9日から東京都内で日米事務レベル協議を再開する。焦点となる米や牛・豚肉など日本の重要品目の扱いに道筋を付け、7月中の開催を目指す交渉参加12カ国による閣僚会合につなげたい考えだ。米国側から厳しい譲歩要求を突きつけられるのは必至で、合意を焦って譲歩すれば、国内農業への深刻な打撃は避けられない。政府には、重要品目など聖域確保を求めた国会決議を守り抜く対応が求められる。
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生産現場の声黒田 栄継さん
▽北海道芽室町▽39歳▽畑作27ヘクタール
大友 清康さん
▽宮城県名取市▽有限会社耕谷アグリサービス代表▽64歳▽水稲83ヘクタール、麦26ヘクタール、大豆40ヘクタール
天明 伸浩さん
▽新潟県上越市▽46歳▽水稲5ヘクタール、ブルーベリー農産加工
三浦 正之さん
▽岡山県真庭市▽31歳▽搾乳牛24頭
佐竹 宣昭さん
▽高知県四万十町▽39歳▽農事組合法人四国デュロックファーム代表▽母豚600頭一貫生産
川畑 真実さん
▽鹿児島県鹿屋市▽32歳▽和牛繁殖(母牛35頭)
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